最新号 - 中央公論 2025年6月号

2025年6月号(5月10日発売)
特別定価1100円(本体価格1000円)
5月10日発売
【 特集 】
逆転の日本史
倭国王帥升から田沼意次、田中角栄まで
歴史人物の評価はなぜ揺れ動くのか
▼磯田道史
聖徳太子と蘇我馬子
――太子伝説、不在説、改革の敵対者
▼倉本一宏
後醍醐天皇と足利尊氏
――毀誉褒貶の南北朝史
▼森 茂暁
織田信長
――本当に全国統一をめざしたか
▼金子 拓
西郷隆盛と徳川慶喜
――評価分かれた「勝者の中の敗者」
▼家近良樹
乃木希典と児玉源太郎
――名将か愚将か、最新研究が示す実像
▼長南政義
戦国時代の武士の魅力をありのままに伝えたい
エミー賞『SHOGUN 将軍』 時代考証の内幕
▼フレデリック・クレインス
時評2025
世論調査に見る「人口問題」の起源
▼境家史郎
自由貿易の犠牲者を救うのは、関税ではない
▼渡辺 努
ドクターヘリ事故と医療「選別」という難題
▼河合香織
千葉高校、渋幕、中堅校、専門高校......
誰のための授業料無償化か
▼小林哲夫
世界の「トランプ化」と、インドの「モディ化」
「世界最大の権威主義国」インドはどこへ向かうのか
▼湊 一樹
〔対談〕
「中国が最も恐れる男」と民主化運動「日本の母」が語る
日本は自由を求める中国人の基地になれ
▼垂 秀夫×阿古智子
【 特集Ⅱ】
グローバル化時代の終焉
再近代化か、再中世化か
グローバル化後の四つの世界像
▼田所昌幸
トランプ2.0で国際秩序は崩れ去るのか
悪化する米中関係と日本の針路
▼佐橋 亮
変容する米欧同盟のゆくえ
NATOは崩壊するのか
▼鶴岡路人
ヴァンス米副大統領ブレーンが明かす
トランプ関税の狙いは「家族の回復」だ
▼オレン・キャス×会田弘継
人口減少時代に「無住集落」が示す可能性
一度撤退して再興する地域づくり
▼林 直樹
〔ルポ〕
リベラルな僕、農村の自治会長になる
▼鈴木大介
【シリーズ昭和100年】
玉音放送に涙した数日後、「新しい仕事」に取りかかった──
昭和二十年の小林秀雄
▼平山周吉
好評連載
ことばの変化をつかまえる【第3回】
発音とアクセントはどう移ろうか
――歴史言語学者・平子達也さんに聞く
▼水野太貴
皇室のお宝拝見【第15回】
和田英作《憲法発布式》
▼本郷和人
炎上するまくら【第102回】
真打昇進直前の改心
▼立川吉笑
連載小説
金波銀波 【最終回】
▼澤田瞳子
新連載
ジウ The Next【第1回】
▼誉田哲也
グラビア
皇室のお宝拝見【第15回】
▼本郷和人
新書大賞2025贈賞式・記念講演会報告
世界に3点のみ現存する東洋陶磁の至宝
「黒の奇跡・曜変天目の秘密」展
連載・コラム
ニュースの1枚
深層NEWSの核心
書苑周遊
新刊この一冊
▼杉谷和哉
著者に聞く
▼田中祐真
このマンガもすごい!
▼三木那由他
Book Clip
2025年6月号【編集長から】
★これまで新書4冊の編集を担当した磯田道史先生のお話をうかがっていると、いつもその発想に驚かされます。歴史人物の評価が写真の見た目に左右されているのでは――。今号の巻頭インタビューでは、歴史人物におけるルッキズムの存在を指摘しています。たしかに坂本龍馬の革新的なイメージと、右手を懐に入れて洋靴を履き颯爽と立つ有名な写真の姿とは、切っても切り離せません。史料に基づきながら、次々湧き出てくる自由な発想に、今回も目から鱗が落ち続ける貴重な時間でした。
★現代の政治家も、見た目重視の価値観とは無縁でいられません。しかしこの場合重要なのは美形か否かというより、ひと目で伝わる個性の有無。前月号の表紙にも掲載したトランプ米大統領の場合、シルエットだけでも、庇(ひさし)のように突き出た髪型で誰かすぐ分かります。見た目でも他を圧倒する強い個性は、政治家としての武器に違いありません。
★雑誌でまず目に飛び込むのが表紙です。2012年4月号より中城デザインさん、22年1月号以降は同社から独立した土田鉄平さんが小誌の表紙デザインを担当されました。通巻1700号となる次号からは装いを新たにいたします。13年以上にわたり親しまれたデザインとのお別れは寂しいものですが、月刊『中央公論』の新しい「見た目」にもぜひご期待ください。
編集長:田中正敏
今後の誌面作りのため、アンケートにご協力をお願いします。