最新号 - 中央公論 2024年12月号
2024年12月号(11月9日発売)
特別定価1100円(本体価格1000円)
発売中
【 特集 】
「孤老」時代をどう生きるか
90代に入って見えてきたもの
老いは大変だけれど面白い
▼黒井千次
「平場」の新しい出会いを積極的に楽しむ
カギは自立して自分流を貫くこと
▼久田 恵
老後ひとり難民急増の衝撃
――始動した民間・公的サービス、個人ができる備え
▼沢村香苗
超高齢日本の未来年表
――日常生活は劣化し、貧困高齢者は激増
▼河合雅司
「ネット右翼になった父」を検証して
陰謀論や過激思想にはまらないための9ヵ条
▼鈴木大介
高齢者を狙う「闇バイト」の背景
匿名・流動型犯罪グループ トクリュウの実態
▼岡邊 健
現場で見てきた部屋、遺品、依頼主、トラブル
孤独死・ゴミ屋敷が他人事ではない理由
▼小島美羽
〔対談〕
娘と語る◎好奇心、鈍感力、本音で話す......
90歳になっても現役、親子円満のワケ
▼田原総一朗×和田眞理
時評2024
国際規範から逸脱するアメリカを直視すべき時
▼三牧聖子
ノーベル経済学賞アセモグルらの制度と経済発展の理論
▼牧野邦昭
「評論家的宰相」を栄誉ある称号にできるか
▼辻田真佐憲
【 特集Ⅱ】
総選挙後の重大論点
鍵は閉塞感の打破と第三者機関立ち上げ
大敗自民党は安倍晋三を乗り越えられるか
▼牧原 出
中道政治は復活するか
――試される政党の「濾過」と「吸い上げ」機能
▼河野有理
アジア版NATOは成り立たない
――「安保通」政治家が基本的理解を欠く深刻性
▼神保 謙
政治家もメディアも解雇規制を誤解している
――問題は法ではなく雇用システム
▼濱口桂一郎
経営学者の知的冒険
〔対談〕
54歳差、大家と俊英の異色対談
今こそ、日本的経営の復権を!
▼野中郁次郎×岩尾俊兵
中国・新興国との競争、電気自動車(EV)......
日本製造業の「衰退論」は誤っている
▼藤本隆宏
旧東独3州議会を席捲したAfDの実像
ドイツ戦後体制への叛逆
▼今野 元
『SHOGUN 将軍』米エミー賞18冠の快挙
最強の時代劇役者 真田広之が成し遂げた名誉回復
▼春日太一
人口減少という有事
9月号「小池論文」で留意すべきこと
東京は本当に「ブラックホール」なのか
▼中里 透
中里論文を読んで
▼小池司朗
好評連載
炎上するまくら【第96回】
真打披露興行ポスターにご注目あれ
▼立川吉笑
学問と政治~新しい開国進取【最終回】
戦後70年談話、左右対立を超えて
▼北岡伸一
皇室のお宝拝見【第9回】
東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)
▼本郷和人
音楽には物語がある【最終回】
夭折ぎらい
▼小谷野 敦
連載小説
地上の楽園 【第9回】
▼月村了衛
金波銀波 【第5回】
▼澤田瞳子
グラビア
皇室のお宝拝見【第9回】
▼本郷和人
ミニチュアで伝えるゴミ屋敷・孤独死
▼小島美羽
連載・コラム
ニュースの1枚
深層NEWSの核心
書苑周遊
新刊この一冊
▼酒井 信
著者に聞く
▼松井健児
このマンガもすごい!
▼三木那由他
Book Clip
2024年12月号【編集長から】
★よく響く低い声が特徴だった父。母を亡くして会話が減った影響か、声が掠れて聞こえづらくなりました。こちらが話しかけても返答まで時間がかかるように。そんな様子を心配した妹が、父に犬のぬいぐるみを贈りました。季節や時刻に応じた発言をするほか、簡単な挨拶にも反応を返すという商品で、発話のきっかけになればという目論見です。意外にぬいぐるみを気に入った様子の父に電話をかけてみて仰天。声に張りが戻り、問いかけにテンポ良く答える父に、母が亡くなる前の姿を思い出しました。効果を喜ぶ一方、子どもたちはぬいぐるみに負けているのでは、という思いも浮かびましたが......。
★一人暮らしの高齢者が急増するなか、ゴミ屋敷や陰謀論、さらには闇バイトによる特殊詐欺や強盗まで、社会はリスクに満ちています。最期まで明るく過ごせるよう、前向きに生きるコツから防犯までヒント満載の巻頭特集をどうぞ。
★しかし大変なのは、社会保険料などで高齢者を支える現役世代も同じ。その一端を感じたのは、総選挙での国民民主党の躍進でした。「手取りを増やす。」をキャッチフレーズに、現役世代に焦点を当てた戦略が功を奏しました。闇バイトの背景には若者の経済難もあると言われます。現役世代の苦しみが少ない社会は高齢者が安心して過ごせる社会でもあるはずです。
編集長:田中正敏