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「SLAM DUNK」が中国を席巻したのも今は昔。北京大生が「日本アニメは衰退」と書くのは必然だ

北京大学准教授が伝える「中国人の日本観」(前編)
古市雅子(北京大学准教授)

社会現象になった「SLAMDUNK」と「セーラームーン」

こうして中国では日本のコンテンツ、映画やドラマ、そしてテレビアニメが続々と放送された。いくつもの番組が放送されたが、その後、大きな社会現象となったのが90年代の終わりに放送された「SLAMDUNK」と「美少女戦士セーラームーン」である。

「美少女戦士セーラームーン」も中国で人気が高かったアニメの一つ(写真提供:写真AC)

中国の中高生は大学入試の統一試験に向けて勉強漬けの毎日を送るのが一般的だ。日本のように放課後の部活動などはなく、朝から晩まで勉強のみで、学校生活を楽しむ余裕などない。そんな中で学生たちは「SLAM DUNK」や「セーラームーン」を視聴した。

かわいい制服を着て学校に行ったり、放課後に部活動に打ち込む日本の学校生活に羨望を抱いたのである。それまでスポーツといえば卓球やバドミントンが主流だったのだが、バスケットボールが全国的に大流行し、無事に大学に入ったら日本の中高生のような充実したキャンパスライフを送りたいと願う学生は多かった。

中国で90%以上の家庭にテレビが普及したのは2000年頃だと言われている。日本アニメはそれまで普通に見ることができたが、2004年から産業保護政策の一環として政府の規制が始まり、2006年には実質的に放送できなくなった。

しかし、2010年代前半に日本アニメは三度目の大きな社会現象となる。ブームの中心は大学生、日本のテレビアニメで育った世代だ。ちょうどその頃にインターネットが若者の間で普及し、配信サイトが続々と登場して、膨大な量の海外のコンテンツに突然アクセスできるようになったのだ。

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