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「家が一世一代の買い物」時代の終焉、東京の街はどこへ向かう? 磐石なブランドと中途半端さが同居する千代田区の「輝く街・くすむ街」とは

牧野知弘の23区「街間格差」第1回
牧野知弘

ブランドと中途半端さが同居!千代田区の輝く街「番町・麹町」

千代田区は武蔵野台地の東端である番町、麹町を起点に、南側は赤坂見附まで下った後に青山方面に上り、また北側には九段から市谷、飯田橋にかけて高台が形成されています。

そもそも、住宅地とされる範囲は大変狭い区です。

かつて番町と麹町には鉄道が走っていませんでした。ブランド住宅街のために必要がなかったのかもしれませんが、多くの人が働き始めた現代にあって東京メトロ有楽町線と半蔵門線が整備されたことで、ブランド住宅街の中でもアクセスが良いという、さらに一段上のステージへと進化しました。

そんな番町には、今でも大手デベロッパーが高級マンションを供給し続けています。2022年の春、新築マンションの坪当たり単価は1000万円前後にまで高騰しています。

この地域のマンションを買う層というのは、落ち着きのある高齢の経営者や医者、弁護士といったプロフェッショナル層が多い印象があり、あまり変化を好まない一方で住む「街」が持つ文化や歴史にこだわり、誇りを持つ人たちが選ぶエリアです。

そうした意味で番町・麹町のブランドは今後も磐石と言えそうです。

飯田橋駅の千代田区側にある富士見町も区内の数少ない住宅地域の一つです。飯田橋駅の利便性と外濠を背負った住環境の良さは特筆ものですが、大学や病院も整っているため、あらゆる世代の方に住み良い「街」です。

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