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志位和夫 日本共産党は野党共闘の再構築に挑戦する

志位和夫(日本共産党委員長)

企業・団体献金と政党助成金の二重取りで堕落した政党

 90年代には小選挙区制とともに政党助成金も導入されました。その名目は、企業・団体献金を禁止する代わりに税金で支えるという話でした。ところが、肝心の企業・団体献金禁止の約束はいまだに果たされず、パーティー券のような形を変えたものも花盛りです。つまり、企業・団体献金も政党助成金ももらうという二重取りをやっているわけです。

 政党助成金欲しさに、12月末になると政党の離合集散が繰り返される。政党助成金を原資として、広島の河井克行・案里元衆参議員による大規模な買収事件のようなことも起こりました。

「政治とカネ」の問題はこの30年間、少しもよくなっていません。岸田文雄政権でも次から次へと「政治とカネ」をめぐるスキャンダルが続いている。腐敗はむしろ深刻化していると思います。

 私たちは、政党助成金は憲法違反の制度だと批判してきました。国民一人当たり250円という金額を決め、それに人口を掛けた総額を政党が山分けするという仕組みだからです。これでは自分が支持していない政党に、自分の納めた税金が使われることになる。これは思想信条の自由の侵害、つまり憲法違反だから共産党は受け取らないと決め、制度の廃止を訴えつづけてきました。

 政党は草の根で国民と結びつき、自ら汗をかいて個人の募金を集めたり、機関紙を発行して収入を得たりする。党員のみなさんから党費をいただくかたちで運営する。つまり国民に支えられて財政を運営するのが当たり前の姿です。

 ところが、現在では、党の収入に占める政党助成金の割合が6割から7割、もっと多い場合もある。これは政党の堕落だと思います。

「共産党も財政が厳しいのなら政党助成金を受け取ったらどうか」という声もあります。しかし、憲法違反だからというだけではなく、助成金を受け取ると「国営政党」への堕落が始まります。わが党が政党助成金を受け取った場合にその額は11億円程度ですが、お寄せいただいている個人献金は年間で約80億円になります。そのほとんどは、苦しい生活のなかでわずかなお金を、という方からのものです。仮に政党助成金を受け取れば、そういう方々からの財政の支援を失うことにもなりかねません。草の根での国民との財政的結びつきが弱まることにもなる。

 私たちはやせ我慢で受け取らないのではなく、政党らしい政党として、財政も「国民の支えで発展させる」という大道を進むべきだと考えています。党員を増やし、『しんぶん赤旗』の読者を増やし、国会議員や地方議員を増やしていくことで財政をよくしていく、という大道を歩みたい。

「政治改革」の名のもとで行われた小選挙区制と政党助成金は、結局、日本の政治を堕落させました。私は、この二つの大改悪はリセットしなければならないと強く主張します。


(中略)

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