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志位和夫 日本共産党は野党共闘の再構築に挑戦する

志位和夫(日本共産党委員長)

自民党の大物も落選させた野党共闘

――小沢一郎さんが、野党の候補者を一本化する協議会の呼びかけ人になっています。共産党は野党共闘のこれまでの成果をどのように評価し、どのように進めるのでしょうか。


 まず「野党共闘は失敗した」という言説が流布されていますが、それは事実と違います。2015年9月に私たちが市民と野党の共闘にのりだしてから8年間、その結果がどうだったか。冷静に事実を見てほしい。

 16年の参議院選挙では、32の一人区のすべてで野党統一候補を擁立し、11の選挙区で勝った。その前の参院選は、一人区で勝ったのは二つだけでした。19年の参院選でも10選挙区で勝った。2回の選挙で合わせて21の一人区で勝っています。

 総選挙は、政権が問われるので、相手からの攻撃も強い。17年の総選挙では、希望の党が突然できて共闘が難しくなりましたが、それでも立憲民主党が生まれるなかで共闘態勢を作り、32の小選挙区で勝って共闘の灯を繋ぎました。

 21年の総選挙では、野党4党が20項目の共通政策で合意し、本格的な共闘態勢が作れた。立憲民主党とは当時の枝野幸男代表と政権協力の
合意も結び、政権交代に挑戦しました。

 この選挙は中盤までは野党側に勢いがあり、世論調査もかなり押していた。ところが、自民党が「自由民主主義政権か、共産主義政権かの体制選択選挙」と選挙戦の性格を根本からねじ曲げる一大反共キャンペーンを始めた。私たちも力戦奮闘しましたが、最後のところで逆流に打ち勝つ力が足らなかった。

 それでも、59の小選挙区で勝ったことは重要でした。自民党の有力議員を次々に落とした。

 野党共闘には弱点もあるし課題もありますが、確かな成果もあげています。その事実の上に立ってよりよいものにしていくことが大切ではないでしょうか。

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