(『中央公論』2024年11月号より抜粋)
2024年夏に起きた「令和の米騒動」の正体は、供給と需要の変化がもたらしたコメ争奪戦の最終局面だった。
最も弱い立場だったのは、スーパーでしかコメを買わない一般消費者である。商品棚からコメが消え、メディアが「令和の米騒動」と煽るなか、パニック買いした人も多かった。
今年の新米の収穫は順調で品薄感は解消しつつあるが、普段身近なコメだけに「令和の米騒動」とは何だったのか気になる読者も多いだろう。
「令和の米騒動」はどうすれば避けられたのか。そもそも「米騒動」と騒ぎ立てるほどだったのか。そうした点を解説しながら、この一件が時代の変化の兆しとなる可能性について考えていきたい。