政権担当能力の「その先」を見据えよ
とはいうものの、安保やエネルギー政策の現実路線の先に、高市自民と比べて「よりよき統治」をもたらすことができるのかという点は、どこまで主張できただろうか。外交・安保の現実路線は「政権担当能力」のいわば前提条件にすぎないのであって、大事なのはその先で、自民との違いをどのようにアピールできるかにある。
今回の選挙戦でいえば、「その先」は物価高などの経済対策だっただろう。中道も「生活者ファースト」を掲げ、物価高対策を最優先とした。しかしその要の一つとなる消費税減税で自民とのはっきりした差異を示せず、結果的に政権選択という現政権の設定した争点が浮かび上がった。高市首相は支持するが、自民は支持しないという無党派層も多くが自民に投票する形となり、壊滅的な結果を招いた。
したがって、今後の中道が軸足を置くべきは、「中道」という理念の浸透ではなく、現実に起こる様々な問題に、地に足の着いた「対案」を提示し続けることである。恐らくその先にしか、政権担当能力を備えた最大野党という評価はうまれない。