中央公論新社の若手社員が、刊行の今昔を問わず「いま」気になっている本について自由に語る企画。
第1回は、「いま」もっとも注目を集めている、あの中公新書を取り上げます。
第1回は、「いま」もっとも注目を集めている、あの中公新書を取り上げます。
その本に何が起きたのか
「今年の新書大賞、決まったわ。『言語の本質』、読み終わった。これ、ヤバいわ。今年読んだ本で圧倒的ナンバーワン。飲食店で気軽な気持ちで読んでたら、おもしろすぎて動悸が早くなって、しんどくて読むのをやめた本は多分人生初です。今からこの本を読める人がうらやましい。」
いいね数5.2万、RT数5000超え、ブックマーク数1.7万という、いわゆる「万バズ」をたたき出したこちらのツイート。
投稿主である「ゆる言語学ラジオ」の水野太貴さん(@yuru_mizuno)が紹介された中公新書『言語の本質』は、今井むつみさんと秋田喜美さんによる共著で、2023年5月に発売されたばかりの超ホットな新刊です(6月末現在)。
「万バズ」の後押しもあってか、『言語の本質』は、発売後1週間を待たずして最初の重版がかかり、あっという間に累計3刷10万部の重版となりました。
やはりSNSの威力は絶大なもので、今回は新刊でしたが、中央公論新社では数々のリバイバルヒットを生み出しています。
当連載でもご紹介したように、中公新書『ルワンダ中央銀行総裁日記』は1972年、中公文庫『残像に口紅を』は1989年の初版、これらがここ2, 3年に再び脚光を浴びたのは、TwitterバズやTikTokバズがきっかけでした。