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まもなくAIを使って自己表現するのが当たり前になる。AIに「創作支援」してもらう際、必要になるものとは?

人工知能はウソをつく【第4回】
清水亮

肉体的な苦労から解放するために

ただ、人類は長い間「生きるために働く」ということを続けてきた。

最初は川から水を運んだりだとか、漁をして獲物を取ったりだとか、食べるための仕事というのが自然発生的に存在した。それが文明の進歩とともに、貨幣経済や宗教、国家などと結びつき、仕事の内容は大きく変化し、多様化し、それそれが専門化していった。

東京にいれば、輸送はシステム化され、Amazonでワンクリックで何でも届く時代だ。午前中に注文した麦茶の素がさっき届いた。近所のスーパーにさえ行かなくていいのだ。

この一連の仕組みはかなり自動化されてきているし、今後も自動化が進むだろう。遅くても安全な自動運転車がスーパーからの荷物を自宅の前まで運搬してきてくれるようなサービスもそのうち出てくるに違いない。

人類は全力で自分達を肉体的な苦労から解放して、創造性を高めるためにイノベーションを繰り返してきた。AIはそのイノベーションの一つと言える。

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