現実を単純化せずに考える大切さ
今回は哲学・表象文化論の研究者による『現代思想入門』が大賞を獲得した。
▼著者のこれまでの研究の蓄積とプロの手の内を惜しげもなく披露し、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの、「こういうもんだ」という感じを教えてもらえたのがとても嬉しい
(幻冬舎新書編集長・小木田順子)
▼現代思想がまとっていた鎧のようなものを剥がして、そこに残る核心を伝えてくれているように感じました。これだけ砕いて書くには相当な覚悟と実力が必要と思います
(中公新書編集長・田中正敏)
▼逸脱を大事にする、物事を二項対立で割り切らない、有限な行為をひとつひとつこなしていく──。現代思想って「大人」だなと思える。世界をより精密に捉え直す作業なんだ、と
(文春新書編集長・前島篤志)
▼分かりやすい文章に導かれて、思想の概要は知ることができる。ただ、その思想の深淵までは自力で辿り着くしかなさそうだとも、感じさせてくれる
(読売新聞・前田啓介)
▼一見捻りのないタイトルも、あえてこうしたかのような自信の程が窺える
(山下書店羽田店・里見清)
▼本書を片手にデリダやドゥルーズの本を読むと、内容が理解しやすくなっていたので驚いた
(ジュンク堂書店立川髙島屋店・福岡沙織)
▼実際の現代思想の文章を例に、読みのテクニックまで開示しており、読み手を入門止まりにせず、先に進む勇気を与えてくれる
(日販・米岡拓実)
▼私が買った本を高校生の息子が読んでいました
(八重洲ブックセンター・北哲司)
〔『中央公論』2023年3月号より〕
「新書大賞2023」上位20冊までのランキングと、有識者48名の講評など詳細は、2023年2月10日発売の『中央公論』3月号に掲載されています。
特設ページでも上位20位までのランキングを掲載しています。
「新書大賞」特設ページ https://chuokoron.jp/shinsho_award/