アマゾンの台頭
リアル書店の盛衰を考えるときに、アマゾンの存在は無視できない。アメリカでは、書籍販売の約4割をアマゾンが占めていると言われている。
ただ、愛書家の友人に聞いてみると、彼らは本を購入する際、アマゾンより実店舗を選ぶことが多いと言う。その理由として、「アマゾンなどネットでは通常、ベストセラーの本ばかりがクローズアップされているから、売れ筋を買うときは探しやすい。一方書店では、類書のラインナップを見ることができるのがいい」「本がジャンルごとに並べられているので、人気に関係なくいろいろなチョイスがある。直接その場で中身を確認できるのもいい」と話す。
アマゾンは15年、シアトルにリアル書店「アマゾン・ブックス」をオープンし、大きなニュースとなった。話題性や物珍しさから、最初は多くの人々が押し寄せた。シアトル店を皮切りに、同社はリアル書店を全米中に広げていったが、結局22年には全店舗が閉店している。