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ラーム・エマニュエル 駐日アメリカ大使インタビュー「中露の強権は見過ごせない――私の使命感と家族の歴史」

ラーム・エマニュエル(駐日アメリカ大使)

リーダーには「タフさ」が必要

 安倍さんに初めてお目にかかったのは、私が大使として東京に着任して間もない頃、彼の事務所でのことでした。それ以降、何度かお会いする機会があり、今年6月1日には安倍さんと私が共に名誉会長を務める日米協会の都内のイベントで、一緒に登壇しました。お互いに選挙を経験している政治家ですから、話題は尽きませんでした。

 安倍さんについて最も印象に残っていることをお話しします。リーダーシップとは何かについて、私には自分なりのセオリーがあります。すなわち、優れたリーダーとは、自分の国をどこに導いていくかといったビジョンを持つだけではなく、実際にそれを成し遂げる「タフさ」を持ち合わせている人のことだ、というものです。ここでいう「タフさ」とは、ポジティブな意味です。安倍さんは、まさにこの定義に当てはまるリーダーでした。

「自由で開かれたインド太平洋」というフレーズを、いまやアメリカやその他の多くの国が取り入れ、使っています。誰が生みの親でしょうか。安倍さんです。安倍さんのビジョンがなければ、QUAD(クアッド=日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4ヵ国の枠組み)もなかったでしょう。彼が、インド太平洋の戦略的な枠組みを作ったのです。それこそが安倍さんの本当のレガシー(遺産)です。安倍さんは、時代を先取りした人でした。

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