コンプライアンスが保身に使われている
同世代といったら、高田純次さんとは今でも仲がいいです。年を取ってくると、いい話は誰にでもできる。70歳のおじいちゃんが20~30代の人に「人生とはな......」って、もっともらしいことを語るのは簡単なこと。
でも、高田さんみたいに、「こんなくだらないことがあるのか!」と思われるような話をするほうが、よっぽど大変ですよ。そこが高田さんの凄さね。ずっと軽いままでいる、重くない。大変なときに大変な顔をしてない。
あと、テレビに出て、感動的なシーンで感動的な顔もしない(笑)。そういうテレビに合わせたふるまいをしない。空気に左右されず、高田純次のままでいる。あれが大事なところだなぁ。
最近のテレビはコンプライアンスの遵守が求められています。基本的に、コンプライアンスって弱者のためにあるものだと思うんですよね。
でも、もう一つの見方として、コンプライアンスを作ったのは弱者ではなく、作った人たちにとってはコンプライアンスが保身のためのものになっているという面もあるはずです。
(続きは『中央公論』2023年4月号で)
構成:寺西ジャジューカ
テリー伊藤(演出家)
〔てりーいとう〕
1949年東京都生まれ。日本大学経済学部卒業。IVSテレビ制作に入社し、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「ねるとん紅鯨団」など、数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛け、一躍ヒットメーカーに。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍中。著書に『老後論』など。
1949年東京都生まれ。日本大学経済学部卒業。IVSテレビ制作に入社し、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「ねるとん紅鯨団」など、数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛け、一躍ヒットメーカーに。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍中。著書に『老後論』など。