黒田東彦日本銀行総裁の後任人事に注目が集まる中、PwCコンサルティング合同会社チーフエコノミストの片岡剛士氏がこの10年ほどの金融政策を検討。アベノミクスの位置づけなどを行いつつ歴史を振り返り、その残した課題なども考えます。
(『中央公論』2023年2月号より)
(『中央公論』2023年2月号より)
政府と日本銀行(以下、日銀)が共同声明をまとめ、消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」を導入してから10年が経つ。早ければ1月には次期日銀総裁・副総裁人事が政府から提示される可能性もあるだろう。
本稿では、この10年ほどの黒田東彦総裁の金融政策と日本経済の動向を概観しつつ、足元の経済・物価動向について述べ、今後の金融政策を考えてみたい。