志位和夫 日本共産党は野党共闘の再構築に挑戦する
小選挙区でも勝てる共産党に
私たちが野党共闘路線に転換したのは15年9月19日。安保法制が通ったその日に中央委員会総会を開いて決めました。そこで決めた野党共闘の方針案を各野党の党首にお持ちしたところ、二つ返事で「やりましょう」と言ったのが小沢一郎さんでした。
実はその直前の8月、岩手県知事選の際に小沢さんから電話があって、「盛岡まで来てくれませんか。達増拓也知事のために野党党首が集まってデモンストレーションをやろう」という話でした。
野党5党の党首が盛岡に集まり、みんなで達増さんを勝たせようと声をあげた。結局、自民党は候補が出せずに無投票になって勝った。これも一つの契機になって野党共闘が始まりました。そういう経緯を思い起こしてみても、今年9月の県知事選でも達増知事が圧勝したのは大変に重要です。
1990年代の「政治改革」の頃、私は書記局長で小沢さんは自民党の幹事長でしたから、討論会では激しい対立です。その後、協力することになるとは想像もしないことでした。
10月23日、立憲民主党の泉健太代表と党首会談を行い、「次の総選挙で与党の議席を最小化するために連携していく」ことで合意しました。これを出発点にして、野党共闘を再構築するために努力していきたい。今の岸田政権は、物価高騰に対する無為無策、憲法を無視した大軍拡などひどいものです。ここで野党が頑張らなくてどうするのかという大事なところだと思います。
そして市民と野党の共闘を発展させていくうえでも、日本共産党自身が力をつけなくてはなりません。比例代表を軸に総選挙で躍進を果たしたい。現在、共産党の小選挙区は沖縄1区の1議席ですが、これを広げていきたい。小選挙区でも勝てる共産党になるようチャレンジを続けていきます。
(中略部分は『中央公論』2023年12月号で)
構成:戸矢晃一
1954年千葉県生まれ。東京大学工学部物理工学科卒業。日本共産党中央委員会書記局員、党中央委員などを経て、90年に35歳で書記局長に就任。93年衆議院議員初当選。2000年より現職。『新・綱領教室(上下)』など著書多数。