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政権3年目、正念場で「結果示す」 岸田文雄首相インタビュー

岸田文雄〔きしだふみお〕

選挙イヤーの首脳外交

――今年は世界各国で重要な選挙が相次ぎ、11月のアメリカ大統領選挙ではドナルド・トランプ前大統領が再登板する可能性も指摘されます。次期アメリカ大統領との関係作りをどう進めますか。


 主要国での選挙の中で最も注目すべきはアメリカの大統領選挙だと私も思います。誰が勝つかを私の立場から言うのは控えますが、日米が双方にとって重要な同盟関係にあるという認識は、選挙がどんな結果になっても不変であると信じています。アメリカの国内政治を注視してはいますが、日本の外交姿勢は変わりません。外交の土台となる人脈作りに関しては、新たに任命した山田重夫駐米大使を筆頭に新体制となった現地の大使館を中心に努力を続けます。


――2016年アメリカ大統領選挙直後には当時の安倍首相が訪米し、当選したトランプ氏と異例の会談に臨みました。来年1月の大統領就任式を待たずに訪米して、次期大統領と会談することもありえますか。


 次期大統領が誰になるのか今はまったくわかりませんので、具体的なことは何も考えていません。


――安倍・トランプ両氏の個人的な関係は世界の注目を集めました。関係の近い外国首脳はいますか。


 そうですね。私も人間ですから正直、合う、合わないはあります(笑)。ここで具体的なことを言うと差し支えがありますので、あえて言わないようにしています。

 ただ、さきほども外交は人と人との付き合いだと申しましたが、やはり人間は深く付き合えば付き合うほど、いろいろな面がわかってくるし、魅力も見えてくる。最初にお会いした印象で合う、合わないがあったとしても、一方的に決めつけるのはいかがなものかとも思います。好き嫌いをはっきりさせることには慎重でなくてはいけない、というのが私の考えです。


(続きは『中央公論』2024年3月号で)

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岸田文雄〔きしだふみお〕
1957年生まれ。早稲田大学卒業後、日本長期信用銀行入行。議員秘書を経て、93年衆議院議員初当選。以来、連続9期選挙区当選。文部科学副大臣、内閣府特命担当大臣、外務大臣などを歴任。2021年に第100代内閣総理大臣に就任。
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