「ゴッドタン」「あちこちオードリー」などの人気テレビ番組を手がける一方で、ラジオやネットでも大活躍中の佐久間宣行。このキーマンについて、ライターの寺西ジャジューカさんが読み解きます。
(『中央公論』2022年11月号より抜粋)
(『中央公論』2022年11月号より抜粋)
令和4年における佐久間宣行(のぶゆき)の主人公感は格別。タレントとは別のルートを辿り、"時代の寵児"となった久方ぶりの人物だと思う。大橋巨泉らが出演した「11PM」(日本テレビ・読売テレビ)がもし今も放送されていたら、彼に司会を務めてほしいと思うくらいだ。
現在、46歳。気鋭のテレビマンである。1999年にテレビ東京(以下テレ東)に入社し、同局の人気番組「ゴッドタン」「あちこちオードリー」などのプロデューサー、演出家として活躍。特に前者は"業界支持率№1番組"となり、芸人の口から「佐久間」の名前が出る機会が激増。その流れで、2019年4月からはラジオパーソナリティとしてニッポン放送「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」を担当することになる。同年に開催された番組イベントの観覧には、1万通以上の応募が寄せられた。
21年3月にテレ東を退社した後はNetflixのコメディシリーズ「トークサバイバー!」を制作し、国内ランキング総合1位を獲得。また、自身が手掛けるYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK(ノブロック)TV」の登録者数は60万人(22年8月現在)に到達した。それらと並行して、各局のバラエティ番組に出役(でやく)(出演者側)として登場することも少なくない。
テレ東退社後は「フリーのテレビプロデューサー」を名乗っている佐久間だが、今の活躍ぶりを見るにつけ、彼にとって真に正しい肩書はもうよくわからない。