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佐藤友紀 日本は「子の連れ去り大国」――国際結婚破綻に伴い海外から批判の声

佐藤友紀(読売新聞国際部記者)

日本に改善を求める声

「子どもを連れ去られた」と訴える外国人は、ほかにも多数いるとみられる。11年にアメリカで設立されたNGO「Bring Abducted Children Home(誘拐された子どもを取り戻す)」は、475人以上のアメリカ人の子どもが日本へ連れ去られたと主張する。イギリスのNGOは、約1400人の英国人の子どもが連れ去られたと訴えている。夫婦ともに日本で暮らしていたケースのほか、海外で夫婦関係が破綻し、日本人配偶者が子どもを連れて帰国した事例などがある。

 こうした状況を受け、日本に対する国際社会の批判は年を追うごとに高まっている。18年、EU加盟26ヵ国の在京大使は、子どもと親が面会できるようにすることを求める書簡を法務大臣宛てに提出。欧州議会は20年7月、「子の連れ去りの多さを憂慮する」として、共同親権制度の導入などを日本政府に促す決議案を採択した。

 アメリカでは21年9月、連邦議会下院外交委員会の公聴会で、共和党のクリス・スミス共同委員長が対日制裁を含めた法案を準備していると表明。同10月には、上院外交委の公聴会で、民主党のロバート・メネンデス委員長が就任前のラーム・エマニュエル駐日大使に対し、日本政府に改善を求めるよう要求した。

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