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佐藤友紀 日本は「子の連れ去り大国」――国際結婚破綻に伴い海外から批判の声

佐藤友紀(読売新聞国際部記者)

自民部会は「共同親権」提言

 日本でも制度改正をめぐる議論がないわけではない。18年7月、当時の上川陽子法相は共同親権制度の導入を検討する考えを表明した。21年3月、法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会は、民法などの離婚制度の見直しに向けた初会合を開いた。部会は当初、共同親権制度導入の是非をめぐる中間試案を今年8月末にとりまとめ、9月にもパブリックコメント(意見公募)に臨む予定だった。

 だが8月30日の部会では、中間試案のとりまとめを先送りした。「試案をまとめるのは時期尚早」というのが理由だった。中間試案では、①原則が共同親権で、例外が単独親権、②原則が単独親権で、例外が共同親権、③単独親権のみ──の3案を列記しており、「わかりにくい」という意見が多数あった。また、6月に自民党の法務部会「家族法制のあり方検討プロジェクトチーム」が「共同親権制度の導入」を原則とすることを提言していたことから、3案を列記した試案は「自民党の提言に沿わない内容だとして、党内から不満の声が出た」(自民党国会議員)ことも影響したとみられている。

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