新年早々、世界に衝撃を与えたアメリカによるベネズエラ攻撃。ベネズエラ国民は今回の事態をどう受け止めたのか、トランプ政権の思惑は、そして政権移行は順調に進むのか――。『ベネズエラ』(中公選書)が話題の坂口安紀氏が論じる。
(『中央公論』3月号より抜粋)
(『中央公論』3月号より抜粋)
2026年1月3日未明、アメリカがベネズエラの首都カラカスで軍事行動を展開し、13年にわたり独裁政権を率いてきたニコラス・マドゥロとその妻を拘束してアメリカに送致した事件から約3週間が経過した(本稿執筆時点)。その後も、軍事行動の本当の理由やアメリカのコミットメントの正当性、ベネズエラ側の暫定大統領の言動など、理解しづらい状況が続いている。
わかりづらさの半分はトランプ大統領の予測不可能な言動とその変遷にあるが、他方ベネズエラ側の特殊な状況もある。本稿では、今回の一連の動きを理解するために、ベネズエラ側の状況を中心に説明していきたい。