「家が一世一代の買い物」時代の終焉、東京の街はどこへ向かう? 磐石なブランドと中途半端さが同居する千代田区の「輝く街・くすむ街」とは

牧野知弘の23区「街間格差」第1回
牧野知弘

あくまで一つの見方として

なおここでの評価とは、決して「街」そのものの優劣を語っているものではないということは最初にお断りしておきます。また一部の方が期待するような、マンションが値上がりする、もしくは値下がりするエリアという視点も含んでいません。

4248358_s.jpg様々な表情を持つ東京23区(写真提供:PhotoAC)

そもそも誰だろうと自分の住む街、ましてや育った街を「ダメな街」などと書かれて快いはずがありません。もし「くすむ街」として名前が挙がっていたのなら、私がその街の魅力に気づけていないだけ、ということでご容赦いただければと思います。

たとえば、2015年に刊行されて話題になった『23区格差』(新書ラクレ)では、23区間の格差が紹介されており、この本で書かれていた文京区に対する評価は、現在そこに住む私が読んで、あまり納得のいくものではありませんでした。

しかしこれも著者である池田氏の、私と異なる角度から見た評価なのであって、これはこれで一つの見方であるとも思われました。

ここでの視点は何度も申し上げますが、東京の学校を出て東京の会社に就職し、東京以外で働いたことがない私の、そして不動産を扱うために東京中の街を見て回り、商売のタネとしてきた私の勝手な判断です。

では独断と偏見の入り混じった東京の街評価、お付き合いください。

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