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地元利権に振り回される普天間、日米同盟

――守屋武昌・元防衛次官、沖縄問題の真相を語る  聞き手●如月遼

守屋 民主党の方はこれまでの経緯を知らないから、沖縄の知事や名護市長、地元政財界が政府と合意していないと騒げば、またマスコミもこうした沖縄の人々の主張に合わせた報道をしているので、岡田克也外相も含めて「これは大変なことだ」となってしまっているのではないか。国と交渉する沖縄の一部の人が「手ごわい交渉相手」であることをわかっていない。


 鳩山由紀夫首相は名護市長選との兼ね合いも口にしているが、それは、沖縄側が問題を先延ばしする時、いつも国に使っていた手法だ。米国は「またか」と思うだろう。沖縄の多くの県民の本音は国の責任でやってくれということだと思う。先にも言ったように〇六年六月から始めた環境アセスメントは来年六月に終わり、結果が出てくる。仲井眞知事が現在「もう少し沖合に動かしてほしい」と必死に訴えていることに対しては、アセスメントの結果を見てから対応すれば、「ちょっと動かしてほしい」という要望に根拠があるかどうかが客観的にわかるからだ。


 現在の合意案は、日米両政府と沖縄の間で練り上げたものである。辺野古の浅瀬には自然崇拝の沖縄の人たちが「神様」とあがめる島もある。今の移設案を沖合にずらしていくとこの島に近付いてしまう。埋め立て拡大を唱える地元の首長や国会議員は、東京で「地元の人は島を潰していい」と言う。しかし地元ではそんな発言を国にしたことを一切言わない。東京と地元で言うことが違う。国と交渉する沖縄の一部の人は「二枚舌」を平気で使う。いざ実施の段階になれば、住民は絶対に「それはだめだ」と言ってくるのは明々白々なのに。

(全文は本誌をお読み下さい。)

〔『中央公論』2010年1月号より〕