urbansea 10年後に「読む」民主党政権――蹉跌の歴史を知るためのブックガイド

urbansea(ノンフィクション愛好家)
言葉を交わす鳩山由紀夫(左)と小沢一郎 2010年6月 (写真提供:読売新聞社)
 ノンフィクション作品に精通したurbanseaさんが、2012年の政権崩壊から10年を経た今、複数の書籍を通じて民主党とその時代を振り返ります。
(『中央公論』2023年1月号より抜粋)

 2009年8月の衆院選で民主党は308議席を獲得し、同党の代表・鳩山由紀夫を首相とする民主党政権(当初は国民新党、社民党との3党連立内閣)が誕生する。それは15年ぶりの非自民政権であった。

 民主党が掲げる「マニフェスト」(政権公約)や「政治主導」(脱官僚)に、国民は期待した。

 ところが鳩山内閣は公約実現に必要な財源捻出や沖縄基地問題で迷走し、2010年夏の参院選を前に退陣する。

 その後、菅直人、野田佳彦と看板を替えるが、小沢一郎グループの離党もあり、2012年12月の衆院選で獲得議席57という壊滅的な敗北を喫して下野にいたった。

 あれから10年──民主党政権の3年3ヵ月とは何だったのか。その内実を顧みるための書籍を紹介する。

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