110ヵ国の人々と60言語で話して分かった母語で話すことの意味と価値

Kazu Languages(動画クリエイター)
Kazu Languages氏
 今年こそ外国語を話せるようになりたい――。新年にそんな抱負をいだいた方に向けて、人気動画クリエイターのKazu Languages氏が外国語を話すことの魅力や意味、学習のコツなどを語る。
(『中央公論』2026年2月号より抜粋)

相手の表情がパッと華やいだ

「Kazu Languages」というチャンネル名で、2022年よりYouTuberとして活動しています。世界中の人とランダムにオンライン会話ができる言語交換アプリや、国内外の街頭あるいは国際イベントなどさまざまな場所で初めて出会った人たちにその人の母語で話しかけ、コミュニケーションをとる様子を記録した動画を配信しています。

 現在(25年12月)のチャンネル登録者は141万人。視聴者の方々には日本の方も多くいますが、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカと、世界中の方が見てくださっています。とくに多言語を学習している方や留学生、日本文化や国際交流に関心のある方が多い印象です。

 YouTubeを始めた初期の頃は、私が学んだ言語を紹介する動画を中心に配信していました。「あなたの言語を勉強している日本人もいるんだよ」と、当該国の視聴者の方々に向けて発信できればと思っていたのです。しかしその後、海外の人とランダムに会話のできるプラットフォームが誕生し、相手を驚かせてリアクションをとるような海外動画(ジャンプスケア)が流行り始めた。それを見て、勉強中の外国語を使ってドッキリを仕掛けたら、相手も視聴者の方々も笑顔になる動画がつくれるのではないかと思って実際にやってみたところ、それがすごく反響を呼んだんです。これが今のスタイルの始まりです。

 初対面のアジア人を前にして緊張していた相手の表情が、私が母語で話しかけた瞬間にパッと華やぎ、心の距離が一気に縮まる。言葉には、国籍や文化を超えて、人と人をつなぐ力があること、そしてそれぞれの言語の持つあたたかみや美しさを動画で伝えたいと、使命感を持って活動しています。

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