目指すべきは「元の姿」ではない
――ビジョンはどうやって集めるのでしょうか。
語り手がご自身で書いてくださるのも大歓迎ですが、聞き手も募集しています。半分ボランティアみたいな条件ではあるのですが、1人あたり400~1200字の記事か、3分ほどの動画にしていただいて、1件1万円の謝礼をお支払いしています。語り手を聞き手がサポートした場合は、それぞれ5000円の謝礼です。幸いにして、地元紙で記者をされていた方などから応募があり、すでに聞き取りを進めています。
記事や動画はネット上のライブラリーに所蔵し、誰でも閲覧可能にする構想です。民間が閲覧して事業の参考にしても、行政が参照してもまったく問題ありません。
ただし、行政にとって都合の悪いビジョンや、能登全体の復興の足を引っ張りかねない意見でも、そのまま収蔵して、取り除くことはありません。排除の基準を設けることは、2000の集落のいくつかを排除することになりえますから。
(続きは『中央公論』2024年5号で)
構成:柳瀬 徹
岩城慶太郎(アステナホールディングス前社長)
〔いわきけいたろう〕
1977年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。アクセンチュアを経て、2005年にイワキ(現アステナホールディングス)入社。上場子会社社長、アステナホールディングス代表取締役社長などを経て、24年より取締役。産業、技術、社会のサステナビリティを高める、社会課題解決型の企業グループへの変革に取り組む。
1977年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。アクセンチュアを経て、2005年にイワキ(現アステナホールディングス)入社。上場子会社社長、アステナホールディングス代表取締役社長などを経て、24年より取締役。産業、技術、社会のサステナビリティを高める、社会課題解決型の企業グループへの変革に取り組む。