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スマートフォン一つあれば、「革命」が起こせる!「超」アーカイブ作成のすすめ

野口悠紀雄
紙片に「メモ」をとったらその紙片がなくなって困ってしまった。こんな経験が、誰にもあるだろう。忘れないように書きとめたり、ちょっとしたことを思いついて書いたりする「メモ」。本書は、そんなふつうの「メモ」を、スマートフォンなどのデジタルデバイスを使って、気軽にクラウドにあげ、有能な個人秘書のような存在=「超」アーカイブを手に入れようという提案である。そうすれば、情報洪水のなか、来たるべき技術革新の時代を生き抜くことができるのだ。

 ※本稿は、中公新書ラクレ『「超」メモ革命 個人用クラウドで、仕事と生活を一変させる』の一部を抜粋・再編集したものです。

『「超」整理法』を書いたころ

 私は、1993年に『「超」整理法』を中公新書で刊行しました。書類の整理に悩まされ続けたあげく、その問題に対する解決法を見い出したと思ったからです。

 本書では、書類や情報の整理という同じ問題に対して、『「超」整理法』の考えを基本的には引き継ぎつつ、そのときには考えも及ばなかった新しい方法を提案しています。

 方法が変わったのは、情報技術が大きく進歩したからです。情報の生産量が大幅に増加したため、情報洪水が発生しています。仕事のやり方を変えないと、それに押し流されてしまいます。価値の高い情報が身の回りにたくさんあるのに、大量の情報に埋もれて、有効に活用できません。

 しかし、他方において、情報を扱う手法も飛躍的に進歩しました。1993年頃には限定的な範囲でしか利用できなかった検索機能が、大幅に向上しました。ファイル間にリンクを貼ることも容易になりました。さらに、個人でもクラウドを簡単に利用できるようになりました。また、音声認識の精度が向上し、高度な画像認識も可能になりつつあります。これらの技術を活用すれば、これまではできなかったことが可能になります。

かつては時系列でしか整理できなかった

『「超」整理法』においては、「情報は分類できない。時系列でしか整理することができない」と書きました。しかし、その当時には使えなかった技術を用いることによって、分類に伴う問題を解決できるようになったのです。

 本書で提案している方法は、情報をその内容に従って分類するものです。情報をデジタル化し、それをクラウドに上げれば、紙の場合には解決できなかった問題が克服できるのです。

 分類問題に限らず、情報処理の様々な側面で、考え方と仕事の方法を大きく変える必要が生じています。考えを変え、新しい技術をうまく利用することができれば、身のまわりにある大量の情報を宝の山に変えることができます。

これは革命です

 DX(デジタル・トランスフォーメーション=デジタル化)が必要と言われます。これは、政府や企業の仕事に限ったことではありません。個人のレベルにおいても必要なことです。とくに、クリエイティブな仕事に関しては、本書が提案しているシステムの採用は不可欠です。これによって、蓄積した情報を有効に活用することができるようになります。

 このシステムの利用範囲は、クリエイティブな仕事に限られるわけではありません。どんな仕事についても必要なものです。また、日常生活にも役に立ち、仕事や日々の生活を円滑にします。

 それだけでなく、これを使っていれば、日々の生活のなかから、新しい発見ができるようになります。それによって、あなたの生活は豊かなものになるでしょう。

 これは、個人生活のDXです。こういうと、いかにも大変なことと思われるかもしれません。しかし、決してそうではありません。誰でも、すぐにできることです。必要とされるのは、考え方と習慣を変え、これまでの仕事と生活の惰性から脱却することです。そのために一歩を踏み出せば、新しい世界が開けます。

 1789年7月14日の夜、バスティーユ襲撃事件の第一報を受けたフランス国王ルイ16世が「なに、暴動か」と受け流したのに対して、ラ=ロシュフコー=リアンクール公は、「いいえ陛下。暴動ではございません。これは革命です」と正しく指摘しました。

 私は読者の皆さんに、同じ警告を発したいと思います。

「超」メモ革命 ― 個人用クラウドで、仕事と生活を一変させる ―(中公新書ラクレ)

野口悠紀雄

紙片に「メモ」をとったらその紙片がなくなって困ってしまった。こんな経験が、誰にもあるだろう。忘れないように書きとめたり、ちょっとしたことを思いついて書いたりする「メモ」。本書は、そんなふつうの「メモ」を、スマートフォンなどのデジタルデバイスを使って、気軽にクラウドにあげ、有能な個人秘書のような存在=「超」アーカイブを手に入れようという提案である。そうすれば、情報洪水のなか、来たるべき技術革新の時代を生き抜くことができるのだ。

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野口悠紀雄
1940年(昭和15)、東京生まれ。63年、東京大学工学部卒業。64年、大蔵省入省。72年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。
主な著書に『「超」整理法』『「超」文章法』(中公新書)、『「超」勉強法』(講談社)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)ほか多数。

中公の、ラクレの書籍ページのリンクは下記のとおりです。
https://www.chuko.co.jp/laclef/2021/05/150727.html

下記は、本日から5月6日までの限定コンテンツになります。

野口悠紀雄先生の最新刊『「超」メモ革命』(中公新書ラクレ)は5月10日から全国の書店で発売されます。本書の刊行を記念して、Kindle版では4月28日から5月6日まで、無料で全文を読むことができます。スマートフォンが一つあれば、創意と工夫で「革命」がおこせます! https://amazon.co.jp/dp/B093GJZ6TX #超メモ革命