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石原壮一郎×辛酸なめ子 「◯活」で得られるのは達成感か、一体感か、それとも......――変幻自在の略語からニッポンが見える

石原壮一郎(コラムニスト)×辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

オジサンにこそ勧めたい

石原 ところで、特定の行動や、それをする集団は、かつて「◯◯主義」「◯◯派」などと呼ばれていましたね。一昔前には「◯◯女子」という言葉も流行りました。


辛酸 山ガールや森ガールとかいろいろありましたね。あとは理系女子を指すリケジョなんて言葉も。もしかしたら今は「女子」で括るとジェンダーの問題になるから、◯活と言うようになったのかもしれません。


石原 そうですね。◯活は男女どっちも使えるので。「◯◯女子」も、最初はそれまで女性が進出していなかった分野を積極的に楽しむ、生活の広がりみたいなニュアンスがあったと思うんだけど、だんだん粗製乱造されていった。そうなると言葉は廃れてしまう。


辛酸 「◯◯男子」もあって草食系が大ブームでしたね。あとは外見は草食だけど中身は肉食のロールキャベツ男子なんて言葉もありました。


石原 そうなるとアスパラ肉巻き男子は逆ですね。(笑)


――世代と◯活の関係はいかがでしょうか。


石原 妙齢の女性がよく使っているイメージがあります。特に30代から40代の女性が、美容関係の◯活や、朝活(勉強など朝にする有意義な活動)をしているように思えます。あとはそれよりも若い世代の人たち。私はオジサンこそもっと◯活を使うべきだと思いますね。世の中で一番やる気がないのがオジサンなので。


辛酸 オジサン世代はあまり消費をしないイメージです。


石原 なんかもう開き直っちゃってるんですよ。オバサンの方が活発です。


辛酸 でも、オジサンではポケ活(ポケモンGO)をやっている人が多いですよ。ひたすら歩いて足腰が鍛えられるからいいのかな。

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