新書大賞受賞『現代思想入門』とはどんな本なのか? 著者が語る今「入門書のための入門書」を書いた理由

現代思想入門
千葉雅也

「入門書のための入門書」

本書はそういう段階へ進むための第一歩、つまり「入門のための入門」、「入門書のための入門書」なのです。ですから、かなりラフな記述になる部分もありますが、その点は専門家の方々もご容赦をいただければ幸いです。

専門家であっても、いきなり素手で読んだのではなく、大学の先生や先輩との会話のなかで「デリダとかってだいたいこういうもんだ」というある種の常識を聞かされて、「そういうもんか」と読み始めたはずなのです。

しかし、一般読者にはそういう機会がありません。ですから本書では、プロの世界でここ三〇年くらい「そういうもんだ」と思われてきたところの現代思想の基礎を一般に開放したいと思います。

※本稿は、『現代思想入門』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。

現代思想入門

千葉雅也

デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー……複雑な世界の現実を高解像度で捉え、人生をハックする、「現代思想」のパースペクティブ。

人生を変える哲学が、ここにある――。
現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。

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千葉雅也
〔ちば・まさや〕
一九七八年、栃木県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は哲学・表象文化論。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。著書に『動きすぎてはいけない』(河出文庫、第四回紀伊國屋じんぶん大賞、第五回表象文化論学会賞)、『ツイッター哲学』(河出文庫)、『勉強の哲学』(文春文庫)、『思弁的実在論と現代について』(青土社)、『意味がない無意味』(河出書房新社)、『デッドライン』(新潮社、第四一回野間文芸新人賞)、『ライティングの哲学』(共著、星海社新書)、『オーバーヒート』(新潮社、「オーバーヒート」第一六五回芥川賞候補、「マジックミラー」第四五回川端康成文学賞)など。
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