鉄道会社退職後の挑戦 独立書店から届ける本と旅の愉しみ

小柳 淳(「街々書林」店主)

香港に魅せられた会社員時代

――小柳さんは元々、小田急電鉄に勤めていた。2008年、49歳で執行役員に就任後、グループ会社の小田急トラベル代表取締役社長、ホテル小田急・サザンタワー代表取締役社長を歴任。加えて13年からは、小田急電鉄の取締役も務めてきた。

D.jpg店主の小柳淳さん


 前職では、宣伝・広報が割と長く、鉄道部門やカード事業部にいたこともあります。

「偉かったんですね」と言われたら......そうかもしれません(笑)。ただ、「むかし輝いていた話をずっとしているオヤジ」は嫌いなんですよ。客観的事実ですし、隠したり嫌だったりはしないので、聞かれれば話します。でも、辞めて3年も経つので、あまり思い出すこともありません。

 会社員時代から旅は大好きで、これまで120回以上海外に行っています。仕事で行ったのは、そのうち1割もありません。多くの会社員たちがゴルフにお金を突っ込んでいた分、私は旅に突っ込んでいた、というところです。


(『中央公論』11月号では、この後も、書店を開業するようになったきっかけや、日々の店作りやこだわりの選書について語っている。)

中央公論 2025年11月号
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小柳 淳(「街々書林」店主)
〔こやなぎじゅん〕
1958年生まれ。東京都立大学卒業後、小田急電鉄入社。小田急トラベル代表取締役社長を経て、ホテル小田急代表取締役社長兼ホテル小田急サザンタワー代表取締役社長、小田急電鉄取締役、観光庁VISIT JAPAN大使などを歴任。2023年6月、吉祥寺に「街々書林」を開いた。
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