東大の院も「全入時代」!? 定年後こそ大学・院に通おう
強制されない勉強の愉しさ
「自分には勉強なんて向かない」とか「イヤイヤ、大学や大学院は私にはとても......」とか「勉強は好きではないので」などなど、ためらう読者諸氏もおられよう。でもこの記事をご覧になっていることそのものが、実は意識せずに受動的知的生活を送っている証である。
そのような読者諸氏にとっては、「高校時代、実は数学はできなかったが、日本史はかなり好きだった」とか、「大学時代に国際法の授業だけは、真剣に聴いた」などの知的自分史エピソードをお持ちではないだろうか。教科書で勉強を強制させられるのは、必ずしも愉しいものではない。ところが、自分の好きなことなら寸暇を惜しんでガンガンできるのが人間というものだ。興味関心のある分野で、ちょっと専門性のある勉強から始めることをおススメしたい。
あるいは、「営業面ではかなり面白い体験をしたが、それを系統立てて学び直し、文章化したい!」と感じている、退職前後のビジネスパーソンなら数百万人はおられるだろう。 筆者は、日本のビジネスパーソンの有能さを高く評価すべきだと、常日頃感じている。その実務経験を含む履歴を、「受動的知的生活」だけでなく、教え、ブログや論文などの形に結実させる「能動的知的生活」にしていくと、さらに見える世界が違ってくる。年齢にもよるが、いろいろな講師業への転職も可能になってくるだろう。
櫻田大造
定年後に本当にコワいのは経済格差より「知的格差」。情報を集めるだけの「受動的知的生活」から、論文、ブログを書いたり講師を務めたりする「能動的知的生活」へ転換すれば、自己承認欲も他者承認欲も満たされ、病気の予防にもなる! その方策として本書は、①大学(院)の徹底活用術、②研究法、論文執筆術、③オンライン、SNS活用術等を伝授。キャリアを活かすもよし新分野に挑むもよし。講師業や博士号さえ夢じゃない実践マニュアル。