GPT以後「知識の集積地」としてのネット空間は汚染されていく。私たちはいつまでWikipediaを信用できるのか
人工知能はウソをつく【第1回】
清水亮
インターネットが汚染されていく
そんなことあるわけない、と思ったかもしれない。
でもほんの少し前には、バイト先の冷蔵庫に入って写真を撮って、それを世界中にばら撒くといった、かつてなら「ありえない」ことが行われてきた。
Wikipediaだけがいつまでも無事だとなぜ言えるだろうか?
GPTを検索エンジンのように使おうと考え、GPTの出力でWikipediaを「修正」してあげようと考える人々の間には、悪意さえないかもしれないのだ。
結局のところ、インターネット上で本当のことはなにもわからなくなる。そしてその傾向はこれからより強まっていく。
誰もが参加できることで英知を結集することかできたインターネットが、AIを使って知能を拡張されたけれども無知な人、あるいは悪意を持った人たちによって汚染されていく。
この流れは不可逆で、今更取り戻せない。