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歴史に名を残す「偽書」 <新書大賞2021>3位『椿井文書』レビュー

新書大賞2021
皆さんから寄せられた投票の中から、いくつかを抜粋してご紹介します。

歴史に名を残す「偽書」

江戸時代後期の国学者・椿井政隆はその生涯で数百点もの偽文書を創作した。依頼者の求めに応じて偽作した手紙、家系図、地図などは、近畿一円に流布し、その一部は今も出版物や自治体史で引用されているという。

 

▼歴史学研究の盲点を問い直す面白さ。
(産経新聞・磨井慎吾)

 

▼著者が真摯に研究対象に向き合ってきたであろうことが窺える一冊(東京旭屋書店新越谷店・関本浩二郎)▼歴史書に強い中公ならではの企画。椿井文書のことは知らなくても一気に引き付けられる。
(ちくまプリマー新書・橋本陽介)

著者は、椿井文書が受け入れられてきた背景を解説するとともに、歴史学研究の現状に警鐘を鳴らす。

▼「記紀」をしっかりベースにしているから、幕末に需要が高まり、今でも町おこしに使われてしまう。地元の歴史にはなくてはならないものになる不思議。「かくあって欲しい」望みが、偽書を生んでしまうことがよくわかる。
(教文館・伊藤豊)

 

▼偽書が、歴史教育の場において事実のように扱われていることに驚いた。フェイクニュースというような言葉が使われる現代において、メディアリテラシーを養うための一冊にもなる。
(BOOKSなかだ掛尾本店・熊田明浩)

 

▼無価値な偽書と切って捨てるのではなく、その遊び心を紹介し、当時の人々の願望を映す史料として評価している著者は、自身の歴史学者としての姿勢を本書で表明しているのだ。
(丸善日本橋店・伊藤健)

 

〔『中央公論』2021年3月号より〕

 

「新書大賞2021」上位20冊までのランキングと、有識者59名の講評など詳細は、2021年2月10日発売の『中央公論』3月号に掲載されています。

特設ページでも上位20位までのランキングを掲載しています。
「新書大賞」特設ページ https://chuokoron.jp/shinsho_award/

 

椿井文書(中公新書)

馬部隆弘

出版社:中央公論新社
発売日:2020/3/18

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