数値化信仰の危険性とは? <新書大賞2024>3位『客観性の落とし穴』レビュー
数値化信仰の危険性とは?
「客観性」とは一体なんなのか。そのメリット、デメリットは? 「客観性」を絶対視することの問題点を読み解いていく。
▼いつの間にか「エビデンスオヤジ」「客観性オヤジ」になっていた。数値化に縛られていたのを実感した(紀伊國屋書店広島店・河井洋平)
▼客観性=誰もがそうだと納得できる、そのものの性質とある。すべてを数値化することは簡単だが、すべてが正しいわけではない。客観的に評価されることが多いなか、他にも目を向けていくことが重要だと感じた(ブックエースBOOK商品部・清宮慎太郎)
▼数値化を重視したときに見落とされる何か、その存在との関係こそが実は大切なのだと教示してくれる(教文館・成田愛美)
▼どこか反論してはいけないような気がする魔法の言葉にまさか落とし穴があるなんて! 自分の価値観を見透かされているような感覚になる部分がいくつもあり、冷や汗をかきました(ジュンク堂書店立川髙島屋店・濱中優里)
▼著者の専門分野を逸脱しないのに、極めて高い普遍性をもつ奇跡のような書(朝日新書・大﨑俊明)
▼「ちくまプリマー新書」という若い世代に向けたレーベルで刊行されたことも大いに意味があると思った(紀伊國屋書店新宿本店店長・星真一)
▼数値や「エビデンス」への信仰が強くなり過ぎているいま、そもそも客観性という言葉がどのような歴史的経緯で生まれたのかを振り返ることは、時代の病理を考えるヒントになる(講談社学芸第一出版部・小林雅宏)
〔『中央公論』2024年3月号より〕
「新書大賞2024」上位20冊までのランキングと、有識者49名の講評など詳細は、2024年2月9日発売の『中央公論』3月号に掲載されています。
特設ページでも上位20位までのランキングを掲載しています。
「新書大賞」特設ページ https://chuokoron.jp/shinsho_award/