中央公論新社が主催する「新書大賞」は、1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞です。
今回で第14回を数える同賞は、第1回に福岡伸一著 『生物と無生物のあいだ』、第2回は堤未果著『ルポ 貧困大国アメリカ』、第3回は内田樹著『日本辺境論』を大賞に選出し、出版界に大きな反響を呼びました。
今回の「新書大賞2021」では、2019年12月~2020年11月に刊行された1300点以上の新書を対象に、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者など新書に造詣の深い方々112人に投票していただいた結果、斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(集英社新書)が 大賞に輝きました。
20位までのランキングと、有識者59名の講評など詳細は、2021年2月10日発売の『中央公論』3月号に掲載されています。
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「新書大賞2021」の大賞に輝いた斎藤幸平先生の贈賞式と記念講演を、紀伊國屋書店の新宿本店と梅田本店をつないだオンライン二元中継で開催しました(2021年3月9日実施)。当日の映像をアーカイブスとして公開いたします。是非ご視聴ください。
【斎藤幸平先生 記念講演会 1】【斎藤幸平先生 記念講演会 2】【斎藤幸平先生 記念講演会 3】
斎藤幸平(さいとう こうへい)
1987年生まれ。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。「Karl Marx's Ecosocialism:Capital,Nature,and the Unfinished Critique of Political Economy」(邦訳『大洪水の前に』)で「ドイッチャー記念賞」を日本人初、歴代最年少で受賞。
編著に『未来への大分岐』など。
辣腕の女性編集者が語る
新書の現在、そして未来
――新書で多数のヒット作を手がけてきた女性編集者3名に集まっていただきました。まずは、2020年の新書市場をどう振り返りますか?小木田 新刊の売れ行きが弱かったと感じます。2018年、19年に刊行されたものが何冊も売り上げランキング上位に入っていました。また、20年はコロナ禍によって刊行を延期したものも多かった。新書の主な売り場である都市部の書店の休業の影響が大きかったと思います。