相談の自殺予防効果
それではこのような適切な効果の検証と政策の実行状況に関するモニタリングは実施されているのだろうか? 現状では、答えは残念ながらNOと言わざるを得ないだろう。
(続きは『中央公論』2023年5月号で)
[参考文献]
厚生労働省(online)「令和3年4月~令和4年3月分SNS相談事業の実施結果」https://www.mhlw.go.jp/content/000987379.pdf(2023年3月1日最終アクセス)
日本いのちの電話連盟(online)「内容別受信状況2021年1月~2021年12月」https://www.inochinodenwa.org/wp-content/uploads/2022/05/007e147441519878729d5528be60ffef.pdf(2023年3月1日最終アクセス)
末木新(2022)「行政から見た自殺予防の課題①──東京都福祉保健局保健政策部課長向山さんインタビュー前編」https://note.com/join_us/n/n4bb32949aaae
末木新(2019)『自殺対策の新しい形──インターネット、ゲートキーパー、自殺予防への態度』ナカニシヤ出版
Sueki, H. (2016) "Willingness to pay for suicide prevention in Japan," Death Studies, 40(5), 283-289. https://doi.org/10.1080/07481187.2015.1129371
末木新(2013)『インターネットは自殺を防げるか──ウェブコミュニティの臨床心理学とその実践』東京大学出版会
Sueki, H., Takahashi, A., & Ito, J. (2022) "Changes in Suicide Ideation Among Users of Online Gatekeeping Using Search-Based Advertising," Archives of Suicide Research (online). https://doi.org/10.1080/13811118.2022.2131491
1983年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専門は自殺やその予防に関する研究。著書に『インターネットは自殺を防げるか』『自殺対策の新しい形』『自殺学入門』『公認心理師をめざす人のための臨床心理学入門』など。