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『三体』がヒットしたのは必然だった!? 中国SFが世界をトリコにしている4つの理由

描かれるのは中国固有の問題か、人類普遍の問題か
大恵和実(中華SF愛好家)

『中国史SF短篇集 移動迷宮』について

さて、そんな中国SFの魅力がつまった最新の短篇集が中央公論新社から刊行された。6月22日に出たばかりの大恵和実編訳『中国史SF短篇集 移動迷宮』である。中国史をテーマにした中国SFを選りすぐった日本オリジナルアンソロジーで、7人の作家(フェイダオ・馬伯庸・チョン・ジンボー・梁清散・宝樹・韓松・夏笳)の8作品を収録している。翻訳をつとめたのは、中国SFの翻訳・紹介に尽力されてきた立原透耶氏・林久之氏、『三体II 黒暗森林』で訳者を務めた上原かおり氏、中国近現代文学に精通している大久保洋子氏など達人ぞろい。

時代は春秋戦国(前5世紀)から中華民国(20世紀)まで、その内容はタイムスリップ・歴史のifを描いた改変歴史SF、ファンタジー色の強いものなど多種多様な作品が並んでいる。孔子が時空を超え、諸葛孔明がコーヒーを嗜み、ゴーストタウンと化した洛陽を少女が駆け、魯迅の文学世界とH・G・ウェルズ『タイムマシン』が融合する。

悠久にして激動の中国史と可能性と想像力をつむぐSFのまさかのコラボレーションをお楽しみいただければ幸いである。








中国史SF短篇集 移動迷宮

大恵和実 編訳/上原かおり/大久保洋子/立原透耶/林久之 訳

孔子は時空を越え、諸葛亮孔明は珈琲栽培に成功し、マカートニー伯爵は乾隆帝の迷宮に閉じ込められ、魯迅は故郷でH・G・ウェルズのタイムマシンに出くわす――悠久の中国史を舞台に、今もっとも勢いのある中国の作家7人が想像力の限りを尽くした超豪華短篇集!

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大恵和実(中華SF愛好家)
1981年東京都生まれ。大学非常勤講師、中華SF愛好家。『中国史SF短篇集 移動迷宮』編訳者。その他、翻訳に梁清散「済南の大凧」、呉霜「人骨笛」(以上『時のきざはし』新紀元社)がある
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