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「SLAM DUNK」が中国を席巻したのも今は昔。北京大生が「日本アニメは衰退」と書くのは必然だ

北京大学准教授が伝える「中国人の日本観」(前編)
古市雅子(北京大学准教授)

日本映画が中国で大ブームを起こしたことも

そして翌年、文革後初の外国映画として『君よ憤怒(ふんど)の河を渉(わた)れ』が公開されると、この作品は凄まじい人気となった。日本ではあまり話題にならなかったが、中国においては長い間、接することのできなかった純粋な娯楽作品で、さらにスクリーンに映しだされる日本の高層ビルや洗練されたファッションに圧倒され、主演の高倉健、ヒロインの中野良子は大スターとなった。

続いて中国初の外国アニメとしてテレビ放送されたのが、モノクロの「鉄腕アトム」である。子供たちは毎週日曜になるとテレビにかじりつき、大人にも「科学技術に興味を持たせる良い教材である」と肯定された。新幹線とアトムは科学技術の象徴だったのである。

当時の人々は日本を、経済発展を遂げ高い科学技術を持つ国として認識し、「日本に追いつかなければならない」という強い焦燥感と憧れを抱いた。80年代、90年代に中国を訪れた日本人は、必ずと言っていいほど「高倉健を知っているか」「真由美(中野良子の役名)を知っているか」と聞かれた経験を持っている。

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