ヒトの最大寿命は115歳!? 私たち人間の「死ぬ理由」について新書大賞2位『生物はなぜ死ぬのか』著者が解き明かす

老化の始まりは徐々に“遅く”なっている
小林武彦


ヒトの死とそのメカニズムについて

新書ではさまざまな生物の死に方を見ていますが、寿命や死に方について一番よく調べられているのはもちろんヒトです。そして、ヒトほど寿命が変化してきた生き物もいません。

eea7f27ac356a5843f58a4f8683d84be5684dfa0.jpg『生物はなぜ死ぬのか』(著:小林武彦/講談社現代新書)

2019年の日本人の平均寿命は、女性87・45歳、男性81・41歳で過去最高を記録しました。

生物の死に方や寿命を含んだ生きざまは、生物が多様化する中で選択されてきた、つまり進化しているのですが、ヒトの場合はどうなのでしょうか。今の寿命や死に方に至る何かしらの選択は起こっているのでしょうか。

今回は、ヒトはどのように死ぬのか、その変遷と死ぬメカニズムについてお話ししていきましょう。老化というヒトに特有の現象にも、どのような意味があるのか、考えてみます。

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