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「カンニング不可能」と言われる中国のオンライン入試はどう行われているのか。新型コロナを乗り越え、いち早く成長を果たした決め手は14億人総動員の「人海戦術」だった

ポスト・コロナの中国「新常態」
西村友作
中国が新型コロナを乗り越え、いち早く成長を果たした決め手とは?(写真提供:写真AC)
今現在、北京冬季オリンピックが盛り上がりを見せている中国。各国の経済が新型コロナの影響で深刻なダメージを受ける中でも、いち早くプラス成長を成し遂げた。2002年より北京に在住する中国・対外経済貿易大学国際経済研究院・西村友作教授によると「成長の背景に、政府主導で建設が進む『数字中国(デジタル・チャイナ)』が存在し、日本では混乱が続く学校運営や入試体制にもそれはあらわれている」と言う――。

新型コロナ禍での大学入試

新型コロナ感染が拡大する中において、中国でも日本でも中止にできないイベントが存在する。一年に一度の入学試験だ。

学歴をきわめて重視する中国において、現代版科挙ともいえる中国の全国大学統一入試、通称「高考(ガオカオ)」は人生最大のイベントといっても過言ではない。

「高考」は例年6月7、8日に行われるが、2020年は新型コロナウイルスの影響で1ヵ月延期となった。

受験者総数が1000万人を超える試験はオンラインではとても対応しきれない。きわめて厳重な防疫対策が施された中で行われ、幸いにして大規模な集団感染は発生しなかった。

大学院の入試は「高考」よりも数ヵ月前に実施される。大学院修士課程(マスターコース)の筆記試験はコロナ前にすでに行われており、合格者を対象とした面接試験はオンラインで行われた。一方、博士課程(ドクターコース)の筆記試験は3月に予定されていたが、なかなか収束しない感染症の影響で、実施に踏み切ることができなかった。

6月の卒業までには入試を終える必要があり、結局、約3ヵ月遅れてオンラインで筆記試験が行われることとなった。面接試験と違い、筆記試験となると難易度は格段と高くなる。

ここでは私の学生が受けたオンライン入試の状況を紹介したい。

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