パナソニックが日本より先に中国の「養老ビジネス」へ新技術を導入したワケ。中国新経済が急成長した背景にある政府の姿勢とは

日本企業にとっても大きなビジネスチャンス
西村友作

「一人っ子政策」から「出産奨励策」へ

少子化対策は取られているが、その効果は不透明だ。

2016年1月1日、中国で30年以上続いた「一人っ子政策」に終止符が打たれ、「二人っ子政策(二胎政策)」が全面的に実施された。

しかし国家統計局によると、出生数は初年度の16年でこそ前年比131万人増の1786万人に達したものの、その後は右肩下がりを続け、20年には1200万人まで減少している。

【写真】北京のワクチン接種会場。2021年6 月、筆者撮影.jpg【写真】北京のワクチン接種会場。2021年6 月、筆者撮影

そのような中、21年5月には、産児制限をさらに緩和して第3子の出産を認める方針が明らかとなり、出産奨励策を出す地方政府も現れ始めた。

産児制限の緩和や教育費負担の軽減を受けて、出生数は改善するかもしれないが、その効果は未知数だ。たとえ出生数が増加傾向に転じたとしても、「計画生育」が招いた人口構造の歪(ゆが)みを解消するには長い歳月を要するだろう。

一方高齢化に関しては、今後加速していくと見られている。2020年の詳細データは発表されていないので、19年の年齢別人口構成比を見てみると、50~59歳人口が全体の15・3%を占める。「一人っ子政策」が始まる前の60年代に生まれたこのベビーブーマー世代が退職期を迎えるのだ。

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