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「人口増の受け皿」の次の役割を求められる練馬区。「空き家だらけ」というレッテルを剥がせるかが問われる豊島区の「輝く街・くすむ街」

牧野知弘の23区「街間格差」第7回
牧野知弘

東京の人口増の受け皿として

練馬区は西武鉄道の沿線を中心に高度成長期から現在に至るまで、東京の人口増の受け皿としての役割を果たしてきました。沿線に住む会社員は西武線に乗って池袋に出、そこから都心のオフィス街に向かったのです。

この役割自体は今も変わっていません。ただし西武鉄道には「ブランド住宅街を作る」といった戦略というよりもサラリーマンの「通勤」に重点を置いたベッドタウン造りが行われたこと、東急線などと異なりあまり駅前を整備しなかったことなどから、沿線に特徴のない駅ばかりになったきらいがあります。

加えて区内を南北に走る鉄道が存在しなかったために、ターミナル駅を作れなかったことも単調な沿線イメージに繋がっているようです。

4287336_s.jpg練馬駅(写真提供:Photo AC)

しかしこうした状況も、都営大江戸線の開通によってやや改善されました。

練馬駅では西武池袋線と都営大江戸線が交わり、池袋と新宿の両方のターミナル駅へアクセスできるようになりました。さらに隣駅の桜台まで東京メトロ有楽町線が延伸し、当時このエリア全体の不動産価値はかなり上がりました。

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