「人口増の受け皿」の次の役割を求められる練馬区。「空き家だらけ」というレッテルを剥がせるかが問われる豊島区の「輝く街・くすむ街」

牧野知弘の23区「街間格差」第7回
牧野知弘

高齢化の進む光が丘、人口減が進む大泉学園

一方で都営大江戸線が繋がり、新宿へのアクセスを確保した光が丘では高齢化が進んでいます。

同地区で移動販売事業を手掛けるセブンーイレブンジャパンによると、高齢化率が32%にまで達したエリアもあるようです。これは全国平均28.4%(総務省「人口推計」令和元年10月1日【確定値】)を上まわる数字です。

大江戸線の始発と言っても、いわゆる「盲腸線」です。盲腸線の始発駅は見方を変えれば終着駅。終着駅は人気がない、というのが最近の不動産業界の定説でもあります。

衰退が予想される街として、さらに大泉学園があります。東京都の人口が急激に増加する中、特に昭和から平成初期にかけて人口が増えてきましたが、現在となっては都心に出るのに相当時間がかかることから敬遠されるようになった印象があります。

23977727_s.jpg光が丘団地(写真提供:Photo AC)

現に、人口が増え続けている練馬区にあって、大泉町では平成27年ごろから人口がすでに減少へ、光が丘でもこの先の人口減少が予想されています。

以前より、都営大江戸線の延伸計画がありますが、なかなか話が進んでいません。練馬区は高齢単身世帯が激増しています。その数は54807世帯にも及んでいて今後、相続の大量発生が明らかである以上、それを踏まえた「街」の行く末が今問われています。

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