稲田豊史×レジー×佐々木チワワ ファストな社会の歩き方

稲田豊史(ライター・編集者)×レジー(ライター・ブロガー)×佐々木チワワ(ライター)

知識のオタクから愛だけの推しへ

──『「ぴえん」という病』で、佐々木さんは若い世代の新しい消費のあり方として、「推し活」に伴う「誇示的消費」について説明されています。「推し」という言葉はZ世代には一般的なものなのでしょうか。


佐々木 なんなら、「最近、ほうじ茶を推してるんだよね」くらいの感覚で使います。「ライク」みたいな気持ち、ブームがきてる、応援してる......いろいろなレベルで好きなものを「推し」って言います。


稲田 ただ、佐々木さんの著書で書かれているホストに夢中になる人たちって、「推し活」のために自分を犠牲にしてまで金を稼いでいてすごいですよね。僕が若者たちから聞いた「推し」の概念とはかなり違うと感じました。


佐々木 歌舞伎町のホスト界隈は何もかも捧げてこそ「推し」という感じの過激な人も多いので、たしかに例外かな......。


(続きは『中央公論』2023年1月号で)


構成:崎谷実穂

中央公論 2023年1月号
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稲田豊史(ライター・編集者)×レジー(ライター・ブロガー)×佐々木チワワ(ライター)
◆稲田豊史〔いなだとよし〕
1974年愛知県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業後、映画配給会社や出版社勤務を経て2013年に独立。著書に『セーラームーン世代の社会論』『ドラがたり』『ぼくたちの離婚』『「こち亀」社会論』『映画を早送りで観る人たち』『オトメゴコロスタディーズ』。

◆レジー〔れじー〕
1981年千葉県生まれ。一橋大学商学部卒業。一般企業で事業戦略立案やマーケティングに関わりながら、社外で音楽を中心としたカルチャー全般に関する批評や分析を行う。著書に『夏フェス革命』『ファスト教養』、『日本代表とMr.Children』(宇野維正氏との共著)。

◆佐々木チワワ〔ささきちわわ〕
2000年東京都生まれ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)在学中。10代の頃から東京・歌舞伎町に出入りし、フィールドワークと自身のアクションリサーチを基に「歌舞伎町の社会学」を研究する。著書に『「ぴえん」という病』『歌舞伎町モラトリアム』。
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