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小泉進次郎・環境大臣 脱炭素とサーキュラーエコノミーで自立分散型の社会を

小泉進次郎(環境大臣)
 2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを宣言した菅政権だが、日本は国際潮流の中でどう動くのか。小泉進次郎環境相に聞いたーー

「脱炭素ドミノ」を巻き起こす

─東日本大震災と原発事故は日本人に環境とエネルギーの問題を改めて意識させました。あれから一〇年が経ち、今、政府は二〇五〇年の脱炭素に向けて動き出しています。太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー(再エネ)への転換を今後どのように進めていく予定でしょうか。

 まず再エネを主力電源化していく。これは政府全体の目標です。環境省はその割合をいかに引き上げていけるか、全力で政策を投入します。具体的に言うと、二〇三〇年のエネルギーミックスでは再エネの比率は二二%から二四%です。しかし、三〇年に地域での再エネ倍増を目指すべきと考えています。特にポイントになるのは、再エネとEV(電気自動車)をはじめとした電動車、そして地方の取り組みだと考えています。再エネとEVは、第三次補正予算の最大の目玉政策です。EVの購入補助金の上限は四〇万円から八〇万円に倍増。倍増させる条件は購入者が再エネ一〇〇%の電力を使用すること。再エネを条件にする補助金制度は政府としては初めてです。

 東京都は、三〇年以降の都内で新車販売される乗用車を一〇〇%非ガソリン化することを目指すと言っています。これは、菅総理が表明した三五年よりも先駆けた目標設定。人口が多くEV購買層も多いと予想される東京都との政策連携も有効だと思っています。EVの補助金は環境省と東京都を組み合わせると、最大八〇万円に六〇万円が上乗せされ、一四〇万円になります。一般的なEV車がだいたい四〇〇万円とすると、二六〇万円になるということです。再エネや「動く蓄電池」としても使えるEVがセットで世の中に広まっていく後押しをしたいと思います。

 また、五〇年までのカーボンニュートラルを宣言して具体的に動き出した自治体は全国に二〇〇以上あります。私が大臣になった一九年九月にはたった四自治体でしたが一気に増えた。こうした区域の中で、まず、この五年以内にカーボンニュートラルの事例を作ります。二〇五〇年までの三〇年間を待たないと脱炭素が実現しないのではなく、二五年までに脱炭素のモデルケースを作り、それが次々と連鎖していく。私は「脱炭素ドミノ」と言っていますが、そうした連鎖を巻き起こしていく。こうすれば地域の中での再エネ導入が加速して、日本全体の再エネ比率を最大限高めることができる。五〇年の再エネの比率は、経済産業省では五〇~六〇%という数字を参考値として出していますが、私はそれを更に伸ばしていくポテンシャルは大いにあると思っています。

─再エネの比率を上げていく上で、火力や原子力は今後どう位置づけていく方針ですか。

 菅政権のスタンスは明確で、一に再エネ、二に火力の脱炭素化、そして三に原子力も含めて、あらゆる選択肢を活用してカーボンニュートラルを実現する。こういった整理になっています。環境省として最も力を入れていきたいのは再エネであり、石炭火力は三〇年までに非効率なものはフェードアウトする。その後は、温室効果ガス(主には二酸化炭素)を排出しないゼロエミッションの火力発電をやっていく。こういったことも含めて全てを決定づけるのは再エネをどこまで引き上げることができるかです。これが他の電源構成の比率にも直接的な影響を与えてくるので、再エネの導入に向けたあらゆる課題を突破していきたい。

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