新書と専門書の間―"選書"とは一体何なのか!? ~『分断の克服 1989-1990』『日本の保守とリベラル』中公選書が今熱いワケ!~

あの本が売れてるワケ 若手営業社員が探ってみた 連載第12回

新書ではなくあえて選書で、という選択② ~入門書かオピニオンか/書き下ろしか論文集か~

宇野重規さんが『日本の保守とリベラル』に先立って中公新書から出した『保守主義とは何か』は2016年の刊行。こちらもそれぞれのあとがきに、本の意図が綴られています。

 

"本書は保守主義者による自らの思想の開陳でもなければ、批判的な立場からの保守主義の解明でもない。ただ、保守主義の思想について、歴史的な決算書をつくってみたいというのが、著者の素朴な願いであった"(『保守主義とは何か』より)

 

 "過去の論考を活かしつつ、正面から日本における「保守」と「リベラル」について考える" "本書はまったくの書き下ろしではなく、過去の論考を活用して、新たに編んだものである。とはいえ、単なる論文集ではなく、それなりの見通しをもって旧稿も書きあらためてある" (『日本の保守とリベラル』より)

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この新書と選書での執筆姿勢の違いがどこから来るものなのかを知るには、注の要不要とは別に、選書というものの成り立ちから勉強せねばなりません。というわけで、中公選書の吉田編集長に話を聞きました。

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