清水亮 今このタイミングでハッカソン開催を呼びかけたワケ。今回のGPT-4のアップデートが何をもたらすか、おそらく世界で誰もまだ分かっていない
- ある日の技研ベースで
- GPTと執筆
- 使い方が完全には想定されないまま世に放たれる技術
- 今ハッカソンの開催を呼びかけたワケ
ある日の技研ベースで
「来週、GPTを使ったハッカソンをやろう」
「ええっ!? 先週やったばかりでは...」
ある日の浅草橋でこんな会話が繰り広げられた。
ハッカソンとは、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を組み合わせた言葉で、「短期間で一つまたは複数のプロジェクトを走り切る」イベントである。開催方法や期間はまちまちだが、だいたい24時間から48時間を使い、小規模なチームで一つ以上のプロダクトを作るのが通例だ。
期間が短いので非常に高い集中力とチームワークが求められる。しっかりとしたハッカソンの場で優勝するのはとても困難で、優勝すればもちろん他のエンジニアから羨望の眼差しで見られるが、それよりも現場で色々なエンジニアとアイデアを交換し、違いを高めあうことが最大の報酬となる。
一方、この会話がなされたのは浅草橋の駅を出てすぐのところにある、技研ベースという紹介制のコワーキングスペースだ。
その名の通り、ここには技術に一家言ある猛者たちが集まってくる。スタートアップやフリーランスだけではなく、国際的に活躍するエンジニアや、企業の幹部クラスも時折ここを訪れ、サードプレイスとして活用している。
ここに編集部を置くメディアまであるが、かくいう筆者も技研ベースにいくつかの法人を置いている。なお法人会員になると、郵便物の受け取りをしてもらえたりと、いろいろ融通が利く。
また技研ベースでは定期的にサロンが開かれ、そこでは各々が会費を支払うとともに、思い思いの酒や食べ物を持ち込んで交流をしている。エンジニアやデザイナー、電気技師や溶接工、もちろん人工知能研究者など、参加する顔ぶれはやはりさまざまだ。
冒頭の会話があったのは、11月度最初のサロンの日だった。
「昨日のGPT-4についてのニュース、見た?」
「見た見た。凄いことになってるよね」
「あれってどういうことなんですか?」
「わかんないよ。というか、把握できている人なんて世界中のどこにもいないんじゃないか」
「OpenAIの中の人も?」
「そりゃあそうでしょう」