誤りを認めることの大切さ <新書大賞2024>2位『訂正する力』レビュー

新書大賞2024
皆さんから寄せられた投票の中から、いくつかを抜粋してご紹介します。

誤りを認めることの大切さ

批評家で哲学者である著者は、日本には「変化=訂正を嫌う文化」があるとする。意見が変わることは恥ずべきことではないという指摘は多くの人を勇気づけた。

▼「訂正」という言葉に持っていたマイナスのイメージを覆された。間違いを認め、それを改めることの重要性を忘れぬよう、いつまでも読み続けたい一冊(ジュンク堂書店那覇店・殿塚弘基)

▼『訂正可能性の哲学』(ゲンロン叢書)で示した理論の実践篇という位置付け。社を超えての並行出版の企画自体ユニークだ。誤りを認めた相手を袋叩きにし、「ぶれなさ」を尊ぶ風潮がいかに現代の政治的分断を深くしているか。その膠着状況を変える一歩が、間違いを認めて「訂正する力」だとする(産経新聞・磨井慎吾)

▼心身の極度の疲労に悩まされ、年齢を痛感した2023年に染みる文章でした(中公新書編集長・田中正敏)

▼年齢を重ねて人は賢くなるわけではなく、いくつになっても間違いを重ねます。大事なことは間違いを訂正しながら自分をバージョンアップし続けること。参考になりました(八重洲ブックセンター石神井公園店店長・北哲司)

▼私にはアンガーマネジメント的に効いてくれました。望まなくても目や耳にする「白黒はっきりすべき」「○○こそ正しい」といった話題には食傷気味でしたが、この本を読んでからは、どうしてそういう経緯になっているのかを考えるクセがついたように思います(喜久屋書店宇都宮店・細野嘉美)

 

〔『中央公論』2024年3月号より〕

 

「新書大賞2024」上位20冊までのランキングと、有識者49名の講評など詳細は、2024年2月9日発売の『中央公論』3月号に掲載されています。

特設ページでも上位20位までのランキングを掲載しています。
「新書大賞」特設ページ https://chuokoron.jp/shinsho_award/

 

訂正する力(朝日新書)

東 浩紀

出版社:朝日新聞出版
発売日:2023/10/13

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中央公論 2024年3月号
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