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「感染者が地元で責められ自殺した」。なぜコロナ罹患の「デマ」は全国で同時多発的に発生したのか? 田舎町で起きていた事実

情報パンデミック――あなたを惑わすものの正体
読売新聞大阪本社社会部
感染者が自殺したとするツイッターの投稿と、「自殺デマ」による影響が確認された地域(画像提供:読売新聞大阪本社社会部 ※画像は一部修整しています)
コロナ拡大初期、「感染者が地元で責められ、自殺した」といったデマが岩手、群馬、富山などの全国で同時多発的に広がりを見せた。社会に混乱をもたらす「デマ」は誰が流し、そして人々はなぜ信じてしまうのか?「本人も親も自殺した」とネットに投稿された富山県の女性について、読売新聞取材班が辿り着いた事実とは。

※本稿は、『情報パンデミック――あなたを惑わすものの正体』(著:読売新聞大阪本社社会部)の一部を抜粋・再編集したものです

本当に「感染者の自殺」は起きていたのか

コロナ初期は、地域で「あの人が感染した」「あの店で感染者が出た」という事実無根の話が出回り、無関係の人が巻き込まれる事態も頻発した。ここでは、私たちの取材で見えた教訓を記録しておきたい。

2020年4月以降、こんなうわさが全国各地で広がった。

「感染者が地元で責められ、自殺した」

SNSやネット掲示板には、様々な地名や職業などが無数に書き込まれた。「県内最初の感染者が、村八分にされて親も自殺」「仕事を辞めさせられたらしい」といった話も次々に投稿された。調べてみると、岩手、群馬、富山、長野、山口、愛媛、高知、大分、鹿児島の少なくとも9県では、該当者とされた人の周辺で話が広がるなどの影響が出ていたことが確認された。

自殺したとされた感染者は、いずれも自治体から「ライブハウスに行っていた」「旅行に行っていた」などの行動歴が公表され、ネット上で「感染を広げた」などと誹謗中傷の対象になっていた。

本当に「感染者の自殺」は起きていたのか。取材班はうわさを検証することにした。

21年2月、私たちが向かったのは富山県のある田舎町だった。一帯はかつて稲作が盛んで、古くからの集落と高度成長期にできた住宅地が混在している。そんな静かな町が突然、うわさで持ちきりになったのは204月のことだった。

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