水野太貴「ことばの変化は『差異化』こそが原動力――社会言語学者・井上逸兵さんに聞く」

水野太貴(「ゆる言語学ラジオ」チャンネル)×井上逸兵(慶應義塾大学教授)

「自分は他人とは違う」という意識

 ということで、ようやく本題だ。初回にご登場いただくのは、社会言語学と認知言語学を専門とする慶應義塾大学教授・井上逸兵氏である。

「ことばの変化の原動力は、差異化じゃないかと思います」

 井上氏はこう言う。人と違うことを示すために、言語が使われているということだ。


(『中央公論』4月号では、この後もことばの連帯機能、明治期の標準語の整備、ことばの変化予測について詳しく論じている。)


[参考文献]
石黒圭、石黒愛『言語学者も知らない謎な日本語』教育評論社、2024年
早瀬尚子編著『言語の認知とコミュニケーション』開拓社、2018年
中野弘三編『意味論』朝倉書店、2012年

中央公論 2025年4月号
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水野太貴(「ゆる言語学ラジオ」チャンネル)×井上逸兵(慶應義塾大学教授)
◆水野太貴〔みずのだいき〕
1995年愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒業。専攻は言語学。出版社で編集者として勤務するかたわら、YouTube、Podcastチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で話し手を務める。著書に『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』などがある。

◆井上逸兵〔いのうえいっぺい〕
1961年石川県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学)。専門は社会言語学、英語学。著書に『英語の思考法』などがある。
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