王子・赤羽は元気も、新駅と地形に繁栄を左右された北区。賑わいのある場所が日暮里などに限られる荒川区の「輝く街・くすむ街」
牧野知弘の23区「街間格差」第9回
牧野知弘
閑散とした印象の豊島、賑わいが希薄な浮間舟渡
南北線は京浜東北線から離れた川沿いエリアの交通難解消にも一役買いましたが、カバーできなかったところもあります。
たとえば隅田川が大きく蛇行する場所に位置する豊島周辺などがそれです。
場所によっては最寄り駅まで徒歩で30分近くかかります。URが開発した12棟4959戸の大規模団地、豊島五丁目団地もすでに築50年を迎えて、高齢者中心の住民に最近では中国系の住民も増え、コスモポリタンな様相をみせています。
埼京線開通により新駅ができた北赤羽や浮間舟渡は、荒川と隅田川に挟まれた中州のような場所に立地しています。
駅前から広がる浮間公園は浮間ケ池から荒川土手に繋がるあたりに良い雰囲気があるものの「街」そのものの賑わいが希薄です。
この周辺なら赤羽まで出るか、そうでなければ川口側に渡ったほうが、商店なども多く生活しやすいのではないでしょうか。